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平成21年7月16日に発生した奈良市の小学校菜園で栽培したジャガイモを調理実習の時間に食べた6年生児童23名が吐き気や腹痛などの症状を訴え、18名が病院に搬送されましたが、いずれも軽症で、原因は未成熟のジャガイモによる食中毒と考えられています。平成10年から今日までの10年余りでジャガイモによる食中毒は殆ど毎年1件以上起こっており、その大部分は小学校が占め、僅かに幼稚園が続くようです。
何事も「安全」を重視する昨今、「食育」でも地産地消を安全・安心の観点から推奨しています。そんな中、学校菜園で収穫した農作物によって食中毒を招いては折角の実践教育も一瞬にして水疱となってしまいます。学校長をはじめ担当の栄養教諭・教職員におかれては一層の注意を喚起するところです。また、学校薬剤師においても事後措置は勿論のこと事前処置にも重点を置いた指導をお願いします。なお、平成20年1月に発行した「せんやく」(仙台市薬剤師会だより 第54号、19頁)食中毒③を以下に再掲し、参考に供す。
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ソラニン(Solanine)はアルカロイドの配糖体で、ジャガイモの発芽部分と緑化した皮部に貯留されているため、摂食後20分ほどで腹痛、下痢、嘔吐、めまい、倦怠感などの症状を示す。ソラニンは熱に対して安定で、加熱した調理の過程では分解を受けず、強いコリンエステラーゼ阻害(神経毒)作用を有する。現在、わが国では唯一ジャガイモの発芽防止にコバルト60 ( 60Co ) のγ線照射(最大線量;150Gy (グレイ))が認められており、コバルト照射施設が有る北海道の士幌町農協のジャガイモに限定して許可されている。毎年、出荷量の約1割に相当する8,000トンのコバルト照射ジャガイモが全国に出荷されている。このコバルト照射したジャガイモには「コバルト照射済み」の表示が義務付けられている。 |
(1)~(3)の追加分として、下記に(4)~(6)を示すので参考にして下さい。 (4)「えぐみ」、「苦み」などを感じたら摂食しないこと。
(5)小学校でのジャガイモの栽培期間が短いため未成熟なものが多いこと。
(6)栽培中のジャガイモが日光に当たらないよう十分な覆土をすること。
なお、学校菜園で殺虫剤などの農薬散布をどうしても実施しなければならない時は、児童・生徒がいない環境条件下での使用をお願いします。